理髪店、ぼくらが子供の頃は『散髪屋さん』と言ったようだ。
ま、今でもそういうのかもしれないけれど、実は。。
この数十年ぼくはその『散髪屋さん』に出入りしたことがなかった。
では、それまでは、、、自分でやるか、仲のいいひとにやってもらっていた。
ところでこのところ、『床屋』に行くのも良いだろうなぁ、、と思えるようになり。
勇を鼓舞してその『床屋』に出かけることにした。
何しろ、50年ほど『体験』したことのないところに出掛けるので、多少の不安もあり、ドキドキする。
まず、ドアーを開けて、中を見る。
で、他人はどうしているのかを観察する。
どうやら順番があって、この昼間から椅子に座っているところを見ると、『暇人』というか、『職人』風情の気分が漂う。
ぼくの隣の人が呼ばれた。
『丸坊主だとちょっとねぇ、、』と彼が言う。
どうやら短く刈ってもらいたいようだ。
という意味では、ぼくと同じで、、、バリカンが音を立てる。
ぼくは一応『ものづくり』だから、その仕事ぶりを眺めながら、ふと。。。
『同一の頭』ってのはないから、この仕事もなかなか創造的なんやなぁ、と思う。
次に、その姿を見ながら、『理髪』というのは、『切り取る』仕事なんやなぁ、とも考える。
なるほど、この仕事は、『アデランス』とは真逆の仕事で、どちらが儲かるやろか、と想像をたくましくする。
そんなことを考えていると、『次の方』と呼ばれた。
ぼくだ。。。
殆ど、初めての経験のようなものだから、『え〜〜と、ともかく短く』してくれ、とリクエストする。
『上のほうはどうしましょう』
『上のほう』ったって、もうピカソなんだから、『どうすりゃいいのさ』と思っていると、
『多少、隠すように伸ばしておきますね』
今日は、この加賀市の大聖寺というところにある『茶房古九谷』というところにリクエストのあった『飯碗』を届けることになっている。新人を含めて四人ほどの女性が勤めていて、ぼくもずいぶんお世話になっているところで、、、、
『あら、可愛い♪』
もちろん、ぼくの頭のことではない。
数十年ぶりの頭は、もちろん人様に見せるものではないが、反応がない、というのもちょっとさびしい。
今日の写真 その禿頭のようにつくった『面』