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ホールイン碗


今日は蜂の巣に”蜜蝋”を塗る日。

『で、蜂はいつ、、、』

Aさんによると、『明日、あさっては雨が降る』
だから、『その翌日には20度ほどの気温になる』

それが蜂の活動期になるそうだ。
その菖蒲の花が咲くころが、『勝負』なのだそうだ。

ところで、その”ヤマトミツバチ” どうやら ”ムズカシイ” 性格で、
この巣が必ずしも気に入るとは限らない、そして、その分蜂した蜂がこの巣に入る確率はホールインワン並みとなる。

そんな話を聞いているうちに、雨がポツリ、と。

『フジサワサン、あれ、なんですかぁ』 この村の若い女性がやってきた。

そりゃ、目立つわなぁ、まだまだ『公表』はできない。
(ここまで書いて、蜂がこなければ、、)

『いやぁ、まぁ、、魔よけなんです』

秘密のことをしていると、なんだか、ワクワクいたします。


追記

書き忘れましたが、この蜂の巣は南東に向かって出入り口がついています。

蜂は朝が早く、朝の南東からの上昇気流に乗って蜜を探しに出かけるそうで。

しかし、よくよく観察すると、なんだか、お墓のようでもあり、何度も申し上げますが、『目立ちます』

これから、他人が来たときになんと答えるか、我が家ではそのための『問答例』を考えているところです。

まだ、『秘密』なんで、、、
薪ストーブのある暮らし


蝶が舞い、鳥が羽ばたく、そんな季節かなぁ、、、

薪ストーブを焚いているひとは、”コダワリ”を持って燃料を集めているみたいだ。

たとえば、”松”は絶対にダメ、とか、”ナラ”でなければいけない、とか、

僕なんかは以前、煙突が真っ赤になるくらい薪をくべていたが、あるときから、『ヤメタ』

それはいいストーブが手に入ったからで、値段はさておき、空気調整が効いていて薫煙もかけられるようになった。

つまり、お料理もできる。

『フジサワサン、あそこの山にケヤキがあるから、、』

行ってきました、もちろん採りに、です。

集めれば、一トン以上になるのでしょうが、なにしろ山道、、、

それに、僕は足が悪い。

水泳もサボっているのでなおさら堪えるようになってきた。

さて、去年は一年分を自分で集めたけれど、今年は半分を原木で買うことにした。

車を横付けして、そのまま運べるように、一トン、一万円。

ぼくが交渉したナラの原木の総トン数は、約4トンから5トン。

足らない分はこの村で調達して、、、、

薪ストーブの暮らしも、けっして楽じゃないのです。

丸太にして、今度は割らないといけない、そのくらいは足が悪くても。。。


写真:名前の知らないカミキリムシ(触角のヒゲまでいれると、20mmくらい、綺麗でした)
つまらない話

陶芸を始めて、しばらくすると物が売れない生活が日常となってきた。
カメラを質草にし、そのうち電話機も安売りすることになる。
(そのころ、四、五万で売れた)
この時代がぼくの”氷河期”で、駅前にあった当時有名な『サラ金』に出かけた。
その受付で、、『電話もない方には金は貸せません』と言われ、
幸か不幸か、あの新聞記事のような地獄のような人生とは無縁の生き方ができた。

そんな生活をしているうちに、僕はこの加賀市では極貧の陶芸家として『著名』になっていたようで、
金がなくなると、得意なパチンコで稼いだり、旅館でアルバイトしながらヤクザな人生を生きていた。
当時はバブルの最盛期で、”氷河期”だったのはどうやらぼくのところだけで、女中さんの仕事を手伝うと『チップ』をくれ『お兄さん、これもっていき』と余ったご飯をニギリにしてくれた。もし、これに味を占めていたら、今頃どうなっていたやら。。

あるとき、ひとりの料理人がやってきた。『器が気に入った』ということで、この縁が後に、ぼくがその”氷河期”から脱却する契機となる。

器は、『まずは喰う事だ』と言われた。いろんな料理屋をはしごして、贅沢な食生活を体験。

ばら色の人生が待っていたわけではないけれど、いつだったか、かれは僕の轆轤の上に、100枚綴りの刷った名刺と、お月様まで掛けても良いという電話機を置いていった。その電話機は彼が亡くなるまで十数年、200万以上の通話料を使っただろう。

僕は彼との付き合いの中で、一番大切だったことは、他人には『何をすべきか』を学び、次に『器とは何か』を教わったようにおもう。

きょうは加賀市にある、Nさんの勤めるT印刷さんに自分の名刺を作るため出かけた。

参考に、と持っていった名刺を見たTさんは言った。
『今、若い方のあいだで流行っている名刺ですね。おそらく、この石川県で印刷できるところはないはずです。まぁ、東京か大阪あたりで4万以上は掛かります。』

ほんとかな、名刺がそんなにするとは、、、とほほ。


写真: 世話になった料理人が贈ってくれた名刺。(むかしの住所ですので参考になさらぬように)

追記
さて、今日は素材は良かったのですが、お料理の仕方がまずかったです。
つまらないお料理で、、、いつか口直しに♪
御伽草子



溝口健二監督、『雨月物語』によると、

物語は、『近江の国琵琶湖の北岸とある』
おそらく、”信楽”であろう。
農業をしながら作陶をするというから、『半農半陶』
主人公は源十郎、貧農。

この映画を数十年前に観た。
当時の記憶では、登り窯だったか、、、
薪をくべる場面が少なかったので、
あれで、窯が焚けるんかいな、と思っていた。

むかし、この加賀市に考古学の先生がおいでになって、
庭に穴窯を持ち、自らも陶器を焼いた。
僕もずいぶんお世話になった。

あるとき、その穴窯を独りで焚くようになったので、尋ねてみた。
『上手い焚き方ですね』
『文献がある』と、彼は答えた。

その方法は、独りで一週間ほどで窯を焚き上げるというもので、
一日目、300度、
二日目 150度からはじめ、夕方に600度、
三日目 300度から炊き始め、と
夜間は窯の蓋と煙突を閉じ、目一杯薪を詰め、そんな繰り返しをしながら最終日まで焚きあげるものであった。
(もちろん、この通りの温度だったわけではない)

その話を聞いたとき、あの『雨月物語』を思い浮かべた、きっとあれに相違ない。
『雨月物語』は江戸時代後期、上田秋成という者によって表された読本で、
娯楽性の高い読み物と言われている。
写真の器は17世紀(江戸初期)、鍋島で焼かれた『御伽草子』を写したもの。
名前は後世適当に付けられた名称だから、真相は分からない。
もちろん、『雨月物語』とは関連性はない。が、ふと映画の場面を思い出した。 

蛇足だが、その映画の著作権がきれたので”激安”DVDが発売されているという。
美人の幽霊も出てくるので、興味のある方は、是非。

写真:色絵御伽草子文7寸皿

 

窯変


今から8年ほど前、簡単な文様の器をつくりました。

見てのとおりの器です、『ヘタ・ウマ』というのが我が家の信条、いえ、これしかできない。。

どうやら、京都のホテルでお使い戴いていたらしく、もうすっかり忘れていたところへ、リクエストがありました。


写真の器は失敗作で、ご覧のとおり片身替わりになっております。

左側は染めの色が発色してますが、右側は酸化して黒くなっています。


実はずいぶん前から、窯の調子が悪く当時その原因が分からなかったのです。

私の窯はもう30歳以上のお歳ですから、いろんな障害が起こりました。

その一つがこのような不安定で、気まぐれな焼き上がりでした。


ところで、最近その原因が窯に由来するのであって、還元のガスの資質や圧力ではないことに気づきます。


さて、このように磁器の器では使い物にならない窯の雰囲気を、意識して作り出すことができれば・・

電気の窯でも陶器を焼くことができる楽しみが増えるわけです。

磁器は筆で絵を描き、陶器は窯で描く、とよく言われますが、

たしか、むかし集めた土が寝かしてあるようですので、、、、ちょっと、遊んでみたいな、と思っています。


写真:染付菊文5寸皿

 
芙蓉手の皿


芙蓉手という名の焼き物があります。

1500年代、明時代に焼かれた焼き物ですが、季節は夏、芙蓉の花のような気分で表現された器です。

その寸法、形状は『如何にも』と言うべき表現力を感じます。

打ち込み(型打ち)と言う技法で作られた器にはうっすらと陽刻の跡が見られます。(殆ど付高台)

写真の器は私たち(細君と私)の工房で作ったものですが、製作工程はその明代とほぼ違わないと思っております。

作品というのは、辞書によると

『作者の精神活動を通じて創作された表現物を指す』 と言われております。

言葉の意味を純粋に当てはめると、私たちの”器”は 『作品』 とは程遠いかもしれませんね。

工芸を志す方々の多くは、自らをアーティストとは呼ばず、『アルチザン』と自認しているようです。



さて、昨日のヤマトミツバチの一件の続きです。

写真の巣箱ですが、この場所に遠く離れたところからミツバチが自らやってきて、

そしてこの場所を棲家とする、と言うことが分かりました。


ランの一種に”キンリョウヘン”と言う植物があります。

その花からミツバチの好むフェロモンが分泌し、遠く離れたところからその匂いに誘われてやってくるのです。

その花を、ミツバチの巣の横に置いておくと、、、

後はお分かりだと思いますが、つづきはまた・・


 
episode


さて今日は、前にお話ししてあった、ミツバチの巣がやってきました。

一見、祠のようですが、れっきとしたニホンミツバチ(ヤマトミツバチ)の巣なのです。

まだ、ハードだけの状態ですが、その前に蜜蝋”というものをこの巣箱の中に塗ります。

すると、このヤマトミツバチが自分の棲家だと判断して?やって来る?と言う算段です。

どうやら、このミツバチの飼育、簡単そうで大変なことになりそうです。

なにしろ、熊対策もやらないといけないらしく・・・

なんと言いましょうか、この村で生きていくってことのエピソードはしっかり確保しているつもりなのですが。

進捗状況は追ってブログで


(記事、追加しました)





新しいパソコンになってから、アップもやり辛くなった。

写真:祥瑞松竹梅文7寸皿

先日、『器についてのエピソードを』と、お願いされて、、、

”上手” や”綺麗”や”可愛い”だけではなく、器にも”モノガタリ”が必要だと分かった。

”独自性、主体性=identity" の薄いものは ”世界的” には通用しないような・・

リーズナブル、これは世界共通、

あ、パソコンの話です、、
汗
 
七寸芙蓉手皿


あれもこれも、作りたいものはいっぱいあるけれど、身体は一つ。

今日の一客

芙蓉手の七寸皿 
  下;古染付一閑人汲出湯呑
芙蓉手の鉢


芙蓉の花はまだ咲かないけれど、

器に模した芙蓉の鉢はいつも身近に・・
染菊文飯碗


『なんだか臭うんだけど、、』 と細君が騒ぎだした。

彼女によると、『腐ったにおいがする』 らしい。

箪笥の裏側を探すも、原因は不明だ。


とそこに、”梨の花” が活けられていて、どうやらそれが原因の所在だと判断するまでに しばらく掛かったろうか、、、

花は受粉のために虫の好きな匂いや、鳥類を含む動物など様々な方法で遺伝子を受け継いできたという。

調べてみると、梨の花は”死の臭い”とか”腐った”とか評せられているが、ぼくには思い当たるフシがあった。

もう随分前のことだけれど、京都のおばんざい屋さん『メナミ』から戴いた『備長炭の灰』を水に溶かすとたいそうな”灰汁”が出た。

焼き物にとってその灰汁は不必要なもので、その赤い透明な”灰汁”の臭いが”梨の花”そっくりなのだ。

木の灰汁は正真正銘のアルカリ性で、その溶液に手を入れるととんでもなく酷い目に遭うのだが、さて、梨の花が発するのは、臭いだけでなくその性質もそっくりなのだろうか、とふと考えてみた。

綺麗な花だったけれど、細君に言われて庭のテーブルにお引越しと相成った次第。


さて今日の一客、染付菊文飯碗