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自由という『櫂』を漕ぐ

この写真は、わたしの家からお隣の築150年ほどの古民家を撮ったものです。先日の写真と比べどれほど雪が積もったか、、、もうそろそろ屋根雪が地面に積もった雪と繋がるところです。昨日、加賀市の山中温泉では町中総出の屋根雪降ろしがありました。雪をそのままにしておくと、、、もちろん雪国の家は柱も並みの太さではありませんが、壊れることがあります。この写真をみると、我が家もそろそろ雪降ろしになりそうです。でも・・明日から温かくなるかも、、、と思うと、あんな高いところに登るのも、何しろわたしは事情をしらない都会生活者。手も縮むし足も竦むのであります。脳が『イヤだ、イヤだ』と言ってるようです。 あの若かった頃の飯場暮らしが頭をよぎります。

下、写真は北側の窓です。もう、伸びをしないと外は見えません。一部の雪は窓ガラスを押し付けております。早々対応しないと、割れることでしょう。外から出来ないので、窓を開けて、、部屋から雪かきです。



さて、そんな雪国ですが、やきものの話もひとつ・・
その、『メゾン・エ・オブジェ』という企画の展示会。
間に業者が入っているわけで。。。『価格がこのままでは・・』と仰る。

『それでは、幾らだったら良いのか、ご提案ください』と申し上げました。
『〇〇でお願いしたい』と。。。

『ホイホイ宜しいですよ♪』で、、、『100をひとつのロットにまとめてもらえるなら』

さて、やきものの世界も厳しくなったようです。組織に属さないわたしたちですが、『自由』という櫂を漕ぎながら。。
降り続く日々

そろそろ、雪で埋まりそうです。
まったく、白と黒の世界。

こう、毎回雪の写真をアップしてあると、『もううんざり』と思われるでしょうね。

雪国で過ごしていると、その上雪かきという作業があるんでヤンス。

画像真ん中に写っている丸い光はUFOではありません。
我が家の電球がガラスに反射しているだけです。

さて、たまにはやきものの写真。


先日、『メゾン・エ・オブジェ』という企画の展示会がフランスで開かれました。企業単位の出展でしたが、わたしの器もそのなかのひとつとして仲間入りしました。その結果報告のメールが昨日とどきました。

その一部を抜粋します。

『>メゾンでは、お陰様で大好評だったことをまずご報告したいと思います。
> 海外の方々にとっては、その小ささ故に、何に使うの、と言う質問が一番多く、けれども、その小さな豆皿がこんなに集まっていることに興味をひかれたようでした。
> 大きさを変えてと言うお引き合いもいくつかあり、まず手に取っていただくことのきっかけは、可愛いサイズ故だったと思います。
> 日本のものを専門に扱っているブティックも多いので、今後につなげていきたいと思います。』

文面から分るとおり、わたしたちのやきものを取り巻く現況は決して生易しいものではありません。ものが売れなくなったのは事実です。経済の負け戦が続いているからです。ただ、そんな中でも新たな取り組み、企画が胎動しているのも事実です。

残念ながら、サイトでの公表を控えさせて頂いているのも、このサイトの向こう側に『企業』さんが次に繋がる企画を進行中だからです。

なお、この企画はジェトロ(日本貿易振興機構)の主催、共催によるものです。興味のある方は
こちら

メゾン、エ、オブジェの参考記事はこちら
窯を焼く

30年前に入ったやきものの学校。その授業で、、
『みなさん、窯を焚くという意味は』、、、

どうやら、『やきもの』を焼くというのは間違った意味らしい。
窯を焚く、つまり、『窯を焼く』、という意味ラシー

我が家では、ストーブ奉行』がひとり、、、、
そのウンチクがうるさい(^^:


もともと、都会生活者だったぼくだけど。
ストーブも温度を上げるためには 『ストーブを焼く』

さて、本当の寒さはこれから。
雪に閉ざされ、今日は窯を焚く。

今のとこ800度。
1300度まで、こんやの9時ころ。

ガンバリマス。


窓の外には屋根から落ちてきた雪で。。
雪がもっと降り続くと、雪の圧力で窓が割れます。
雪国では、だから雪囲いといって、窓に板を打ちつけるのです。
もちろん、お昼だって暗闇。
それに、襖戸も開きません。

こちらでは、、未だダイジョウブでしょうが。。。。
明日のことは、分りません(^^;

追記
窯を焚く、窯を焼く、ぼくの仕事ですが、、、、
その窯も、立派に作りすぎると、、、
窯の壁を厚くしたり、支柱を立派にしすぎると。。。
やはり、温度が上がらないようです。

そういえば、、、暑さ十ミリの鉄板で作ったストーブがあったそうです。
温かくなるまで、、朝薪をくべはじめて夜まで掛かったそうな。。
泳ぐこと
今日も雪が降るようです。そんなときだって、いつだって、、僕は泳ぐことを楽しみにしています。さて、泳ぐことは僕にとってどんな意味があるのでしょうか。

先日、プールに行くと若い頃バレーボールの選手だった女性と一緒になりました。彼女は水泳倶楽部でも一緒で、その体型から相当鍛えられたからだの持ち主でした。ある時、ジャグジーのなかで『最近倶楽部に行ってますか』とお聞きすると。『腕を故障して、今はゆっくり治している』と言われるのです。

その彼女の傷ついた腕を見せてもらいました。それは彼女によると、、、『折れている』らしいのです。パンパンに張ったその腕をそっと触ってみたかもしれません。『もう、身体が出来上がっているから、他の運動はできない』 そのプールの水面を眺める姿をみながら、独りの人生をみるようでした。

何故泳ぐのか、こんなに肩が痛いのに・・これは言葉では表しようがありません。痛ければ、痛くないように工夫して泳いでいくのです。皆さんと一緒です。医師はもう泳ぐな、と言っとりますが。。

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ブログを書いていると、、、窓の外になにやら。
チョッと弱ってるようで、、、いちど『ミユ〜〜』とかナントカ言って吼えた。
クラッカーを投げてやったが、、半分食べて、、、あ、100均のだったから(^^+
















染付網目文豆蕎麦猪口

僕がやきものという仕事を目指した頃、やはり目指すものがあって『茶房』を開店した女性がいた。そのお店が今もこの加賀市の山中町の入り口にある。木曜日は彼女の茶のお稽古の日。弟子をとって茶の作法や伝統について教授する彼女の姿は知らないけれど、この彼女のおかげで僕の茶碗が完成することがある。弟子ではなく、お客としてお茶を学ぶために僕はこちらに来る。

きょうは、諸々話があって、、、お茶を頂いた最後に、結ばれた昆布茶を頂いた。一月中はこの趣向だそうだ。吉祥ということか、何事も協調と、調和である。敷かれた盆は、この山中に伝わる我谷盆を咀嚼したもの。器はぼくの豆蕎麦猪口。 いつ買って頂いたのか、トンと記憶に無かったので、、チョッと新鮮(^^)

売れている作家じゃないから、これも一つか二つ。考えてみると、こんなことで今までよくやって来れたもんじゃ、と、、、驚きながら(^^);
クールダウン
『 如何ですか』 『揚がったり、下がったり、ジェットコースターみたいですね』 彼女は経済について問い、ぼくは体調について答える。一年に数回、ほんの5分と掛からない診察。

十数年前に『魔女の一撃』を喰らった。首に鍼を打ったのが原因だったのか腰痛は治ったが、耳鳴りが激しく、、、それは暴走する車のエンジン音のような状態が続いた。

最後にたどり着いたのが彼女の診療所、つまり『精神科』である。以来、薬がないと眠れなくなり、年に数回、彼女との逢瀬を愉しむ羽目になったと言う次第だ。

『たいへんなお仕事ですね』 『はい、いいものが売れるとは限りませんから』などと、他愛の無い会話が続く。今日もそんなことでおそらく半年振りでお会いするドクターなのだが・・ふと、そんな会話を思い出しながら帰りの車の中で。。。

『いいものが売れる』というのは、僕の幻想だったことに気付いた。『いいもの』が売れるのではなく、『その時代』が要請するものが売れるのだ。あの明治は『ゴム版』でよかったのだ。『いいもの』が必要だったら、あの『桃山』は廃れなかっただろう。

どうやら、彼女は経済が僕の耳鳴りと連動していると、教えてくれている。

ゆっくりと筋肉をほぐすようにプールで泳ぐ。久しぶりの僕の休日、明日から窯詰めが始まる。

今日の一曲 『遠くへ行きたい』 歌詞はこちら

 
雪また雪
 
きょうも、雪また雪で・・
チョイト  ブログ更新ご勘弁を。


娘を会社に送った帰り道です。ま、暫くこんな感じでしょう。


あ、Wさん年賀状今日届きました。ありがとうございます。でも・・・韓国の住所しらないので、、、また連絡ください。

音のいろいろ

明け方近くに目を覚ますことがあります。チュチュと小鳥の囀りなども聴こえ、もう朝が来たことがわかるのです。でも、雪が降るとあたりは無音の静寂が支配し、物音ひとつするわけではありません。

それは人工的に作られた『無音室』のように味気の無い世界です。今日は久しぶりにプールでおよいできました。随分泳いでなかったせいか、肩の痛みもありません。こんなに雪が深いとプールだって静かなものです。

ふつう、クロールで泳ぐときは呼吸のため口を水面まであげる必要があります。でも、ぼくのように背泳ぎしか出来ないひとにとっては、頭を動かすことはありません。耳は水中にあり、『サワサワ』とした水音しか聞こえないのです。

ぼくのインストラクターは以前このように言いました。『フジサワサン水の音を愉しんでください』 さて、そのように愉しむことが出来るようになるまでにどれだけの時間が掛かったことでしょうか。

もし、ぼくの家に小川が流れているとすれば、、、、雪の日の楽しみも格別のものだったかも知れません。小泉文夫の『音楽の根源にあるもの』平凡社を読み始めながらそんなことを思ってみました。

 
今朝の窓際 寒かったです〜〜

赤い屋根のケーキ屋さん

先だっていつも車で通る田舎の道に大きなケーキ屋さんが出来ました。そのケーキ屋さんは大きなツーバイフォーのような洋風の館でした。今日はそんなケーキ屋さんに、チョッと甘いものでも、、あ、ぼくは甘党なんです。酒も呑みますが、もちろん誤解の無いように、、、、焼酎でもビールでも大好きです(^^)

それで、前から気になっていたそのケーキ屋さんに車を横付して、、中を覗いて観ましたら未だケーキがありそうだったので、思い切って、、、、

『あ、フジサワサン』なんて仰るじゃありませんか、知らないおばあさんのようなおじさんに、、、、いや本当はたいしてぼくと歳も違わない筈なんですが、、、、暫くはボーぜんとして。。。しげしげと。

畦地さんはこの加賀市でも山中温泉のその奥、柏野の大杉という大木があるところにすんでいます。彼は焼き物が好きで、ご自分で焼き物の窯をもって『土味の会』という焼き物好きな男ばかりの味気の無い会のメンバーなのです。

娘さんがケーキ屋さんを開店したということでお手伝いに来ているのでした。ま、なんたって可愛い娘さんのことですから。

ジャ、写真をということで何枚か撮ったのですが、どうやらこの位置が良いらしく(^^)リクエストにお応えして。

『土味の会』は味気無いところですが、こちらは『たっぷり味気があります』
お近くにおいでのときは是非♪

赤い屋根のケーキ屋さん
石川県加賀市下河崎64-1
0761-75-7555
屋根雪下ろし

この石川県に来て何年かたった頃、38豪雪の次の豪雪を経験しました。朝、起きると四、五十センチの積雪がありました。突然の降雪だったので、対応が遅れ道路も除雪されていない状態でした。

当時、仕事場と生活の場所が違っていたこともあって、数キロの距離を歩いて仕事場に向かいました。その仕事場の二階建ての屋根にはそれまで積もった雪の上にその雪です、もう一mほどの雪が積もっていました。

ご近所の方が来て、危ないから雪降ろしをしなさい、と言います。でも、、、雪降ろしなんて、やったことも無いのです。おまけに高い二階家です。その上、ぼくは極度の『高所恐怖症』でした。屋根まで届く梯子があって、その屋根まで行くのですが、目の前に聳え立つ壁のような雪、これをどうしたらいいのか。。。

ご近所の若い方がおそらく見るに見兼ねて、、、まず、目の前にある雪の塊にスコップを差し込みました。そして、下に投げ下ろしました。彼は言いました『ここに雪止めがある、そこに足を引っ掛け、このまま進みましょう』

雪国の家には必ず雪止めという瓦があるのです。その雪止めがないと、雪はまるで飴のように繋がったまま屋根の梁にぶら下るのです。その重みで梁は必ず折れてしまします。

その若い男はどんどん屋根に積もった雪を下に投げ下ろすのですが、絶対にしてはいけないことを二つ教えてくれました。

屋根の端には乗らないこと、そして、雪は全部落とさないこと。(全部落としと、滑りやすい屋根の上から自ら落ちてしまうからです)

ぼくはこのときの教えを今でも覚えているのです。それは『いのち』にかかわることだからです。

30年前、ぼくは焼き物を教える学校に行きました。当時未だ20代の生意気な若造でした。ある時、教官が言いました『お前には轆轤をおしえない、教えても出鱈目教えてやる』と。ぼくはよく誤解される人でしたから、言い訳はしませんでした、その代わり、、、ぼくはその学校でも轆轤の上手な人の隣に坐りました。そしてそれ以来、聞くということに不信感を持ちました。

そんな訳で、ぼくはこの道30年ほどになりますが、『教えてください』なんてめったなことでは言いません。だって、それが正しいかどうか、誰が決めるのでしょうか。ぼくは今でもそれ以来、見たものしか信じません。盗む、芸の世界とはそんなものなのです。(もちろん、これは芸の世界の話です)

ぼくの雪降ろしの先生は、そんな意味では命を賭けてぼくの古い屋根に登って下さったことになります。それはある意味では特異な経験でした。でも、、、、あれから20年以上経ちますがそんな方に出会ったことはありません。屋根に登ると、いつもその方の言葉を思い出します。たった一度の授業でしたが・

今年は、ちょっと、、、降雪が続きます、この今の家は結構高い屋根なのです。もちろん、細君は下で見ているだけです。